[[資産>財務会計/資産]]の種類の一つで、会計的には法人が支出する費用のうち、支出の効果がその支出の日以後1年以上に及ぶものをいう。
支出が先にあって長きに渡って効果が及ぶという意味では、誤解を恐れずに言えば[[固定資産>財務会計/固定資産]]のような性質を持つ。
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* 概要 [#k21c7172]
もう少し言えば、対価の支払完了または支払義務の確定があり、その対価は受けたが将来にわたってその効果が発現する費用であり、支払完了時点や支払義務の確定時点で全て費用計上すると期間帰属が正しくならないため、次期以降にわたって繰延べる・・・という内容。英語ではdeferred assetsと表記する。
** 新会社法での繰延資産 [#lb44579e]
旧商法については終わった話なので、2005年Startの新会社法で語れば、以前は8種類に限定されていたが「会計慣行に委ねる」というよくわからない定義となっている。
とは言っても何らかのガイドラインは必要なわけで、会計なんとか委員会((忘れた))が[[株式交付費>財務会計/株式交付費]]・[[新株予約権発行費>財務会計/新株予約権発行費]]を含む[[社債発行費>財務会計/社債発行費]]等・[[創立費>財務会計/創立費]]・[[開業費>財務会計/開業費]]・[[開発費>財務会計/開発費]]の5つを''当面の''繰延資産であるとした。
ちなみに旧商法の[[試験研究費>財務会計/試験研究費]]・[[社債発行差金>財務会計/社債発行差金]]・[[建設利息>財務会計/建設利息]]は廃止され、[[新株発行費>財務会計/新株発行費]]は[[株式交付費>財務会計/株式交付費]]に該当する。
ちなみに旧商法の[[研究開発費>財務会計/研究開発費]]・[[社債発行差金>財務会計/社債発行差金]]・[[建設利息>財務会計/建設利息]]は廃止され、[[新株発行費>財務会計/新株発行費]]は[[株式交付費>財務会計/株式交付費]]に該当する。
償却期間は[[株式交付費>財務会計/株式交付費]]と[[社債発行費>財務会計/社債発行費]]を除き5年で、前者は3年、後者は償還期限内。
** 税法の支払 [#d7bcefdc]
いつもどおり商法や新会社法と税法は解釈が違って、「[[資産>財務会計/資産]]の取得価額や[[前払費用>財務会計/前払費用]]を除いた中で、会社が支出する[[費用>財務会計/費用]]の効果が1年以上におよぶもの」を指す。
税法には税法独自の繰延資産があり、公共的施設等の負担金・資産を貸借するための権利金等・役務提供の権利金等・広告宣伝用資産の贈与費用・自己が便益を受けるための費用が該当する。
利息における貸金法と利息制限法みたいなもんだろうが、管理する目的が違うとはいえダブルスタンダードは本当に不愉快である。
** 償却について [#f5f0b3ef]
繰延資産の償却については、定められた償却期間での均等償却と任意償却の双方が認められているため、任意償却とする場合には全額償却しようが全く償却しなかろうが、償却期間が定められたわけでもなし。
ただし、当然の話ではあるが、未償却額と償却済の額は明確に切り分けて管理しておかなければならない。
任意償却だろうが均等償却だろうがokという背景は、例えば赤字の場合に、償却を行い費用計上を行うことで税法上の欠損金として認識して繰越しようが、赤字だから償却せず黒字が出た際に全額を償却しようが納税額は変わらないからと推測される。
* 雑メモ [#s4fae05b]
-[[前払費用>財務会計/前払費用]]との違い
こちらも繰延べられた資産の一種であるが、こちらは支出に対応する用益の提供を未だ受けていないのに対して、繰延資産は既に用益の提供を受けている点で異なる。
-[[B/S>財務会計/貸借対照表]]への記載
前述の通り次期以後の期間に配分して処理するため、経過的に[[B/S>財務会計/貸借対照表]]の資産の部に記載するが、貨幣性資産ではなく費用性資産であり換金価値を持たないため、[[B/S>財務会計/貸借対照表]]上は[[流動資産>財務会計/流動資産]]や[[固定資産>財務会計/固定資産]]とは区分して記載する。
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